映画

プレシャス

うーん、こちらも乗れなかったなー。個人的にはもっとドラマチックな方向を期待してしまっていた。1987年という時代背景や社会制度を知らないことも一因だと思うが、単純に話の展開や登場人物の行動理由が良く分からないエピソードや、回収されないエピソー…

17歳の肖像

うーん、乗れないなー。そもそも出だしから、ただでさえ二人の出会いは不自然なのに、主人公が最初からあまり不審に感じておらず、あまつさへ笑みを浮かべてるようにすらみえるのなんておかしくね?二人の仲が破局を迎えることは明らかなわけで、そこからの…

ブロークン・フラワーズ

DVDで。2005年カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ。脚本、映像、音楽とそれぞれ絶妙にすかした感じ。だが、悪くない。ビル・マーレイのあのなんとも言えない顔芸も炸裂。2005年、米、105分。監督・脚本:ジム・ジャームッシュ、出演:ビル・マーレイ、シ…

トゥヤーの結婚

DVDで。2007年ベルリン国際映画祭金熊賞。良い映画です。1日に水汲みを何往復という生活と、僕らとたいして変わらない生活が、すぐ隣にあり、またそんな中で考えることや、判断のロジックは、僕らとそれほど変わらない。当たり前かもしれないが、その様子が…

そして、私たちは愛に帰る

DVDで。2007年カンヌ国際映画祭 脚本賞。いやー、滋味深い。これぞ映画。3組の親子の物語の組み立て方の妙が際立つ。一人、もしくは複数人、いずれのシーンも登場人物が言葉に出さないどんな想いを抱えているかの演出がとても上手い。娼婦の話から、若者の政…

ボルベール<帰郷>

DVDで。2006年カンヌ国際映画祭 女優賞・脚本賞。のっけから、ぺネロぺ・クルスのあまりの突出ぶりに苦笑。こんなゴージャスな女が清掃員やってるかっての!つまらなくはないけど、うまくないし、突っ込みどころ満載だし、そんな良いかね、って感じ。罪に対…

第9地区

「単純に」おもしろかった。アパルトヘイトと重ね合わせて、うんたらかんたらは、本質的な比重は小さいと感じた。個人的にはそこをもっと練り上げてほしかった。別に重たい話にして欲しいわけではなくて、あのトーンのままで、もっといろんな寓意を持たせた…

息もできない

結局2度見てしまった。音楽だと1stアルバムのような、理屈でなく、特別なものになってしまった作品。筋書きとしては全くもってオーソドックスで、分かりやすく、どストレートのだが、それがむしろ嫌みなく、説得力になってしまっている。観客はその直球をま…

ピンクリボン

DVDで。某所で言及されていたもの。ジャンル接点がないので実のところは分からないのだが、視点とか編集の鋭さ、おもしろさ、みたいなものはあまり感じなかった。お勉強として。2004年、日、118分。監督:藤井謙二郎、出演:黒沢清、高橋伴明、井筒和幸、女…

昼顔

見る前はアジア映画だと勘違いしていて、フランス映画で意表を突かれる。第28回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞。見てる時は気付かなかったが、これ、カトリーヌ・ドヌーヴか。のっけからいきなりの展開でなんじゃこりゃ、なのだが、終わってみれば、とても良…

トゥモロー・ワールド

DVDで。初見。映画秘宝のゼロ年代ベストに入ってたんだっけか。細かいところでシーンの繋がりや筋、理由が見えなくなる。ラスト近くの赤ん坊を前に戦闘が止まるところも感動的ではあるものの、なんで誰も追っかけてこないんだよ、とか全体的にゆるい。まあま…

ハート・ロッカー

おもしろかったし、映画の世界に没入していたが故の、映画館を出た後の現実の風景の見え方の違いも強く、持続時間が長かった。ただ、緊張感があり、抜群におもしろい個々のシーンやエピソードに比べ、全体としてのテーマの印象が残らないのが残念というか、…

愛のむきだし

DVDで。いやー、理屈はともかく、おもしろかった!そして、満島ひかりちゃん最高!期待値が高いことに加え、のっけからの深夜ドラマ的な画作り、演出に、本当におもしろいのかどうか、早速不安になったのだが、いつのまにかテンポの良い、パワーのある、手堅…

楢山節考

DVDで。俳優の演技(特に母親は怖い)、ショット、美術、照明など、力作ではある。ただ、個人的な琴線に触れる作品ではなかったかな。1958年、日、98分。監督・脚本:木下惠介、出演:田中絹代、高橋貞二、宮口精二、望月優子、伊藤雄之助 他 楢山節考 [DVD]…

プリンセスと魔法のキス

オープニングからキャラクターが動く、動く。それだけでテンションが上がる。いやー、素晴らしい。エンターテイメントに徹しながら、志高い、高品質な作品を見せられると、その作成ドラマを思うだけで感動してしまう。「大人も見れる」というのは、作品自体…

オフサイド・ガールズ

DVDで。2006年のベルリン国際映画祭銀熊賞。これは佳作。宗教的背景ではあるが、設定がおもしろいし、その着眼のおもしろさの本質を理解した上での脚本、演出。大仰でドラマチックな世界でなくとも、日常の中に、市井の人々の中に、こんなにも豊かで、逞しく…

CURE

久しぶりにDVDで。「トウキョウソナタ」があれだったので、確かめる意図もあり。でも、こちらはやっぱり良かった。数人しか観客のいない夜の池袋ロサで見たときは、慄然としたなぁ。萩原聖人が、また嫌なんだ。1997年、日、111分。監督・脚本:黒沢清、出演…

宇宙戦争

DVDで。初見。ラストだけでなく、全体を通してご都合主義で、説得力がない。が、賛否両論なわけで。だし、スピルバーグ。一応意図があるのだろうと思うのだが。何が賛なのか、俺が気付いていない部分があるのかに興味はある。2005年、米、117分。監督:ステ…

孔雀 我が家の風景

2005年ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)受賞。冒頭から痺れる映画的ショットの連続。名画の風格がビンビンに伝わってくる。そうか、この監督、撮影監督出身なのか。決して裕福ではない一家における、父と母、兄、妹、弟の物語。そこには祝福の…

映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲

タマフル等で言及されることも多いので、久しぶりに見てみた。中弛みする部分もあると思うが。でも、後半のヒロシのセリフ、しんのすけのセリフにはやはり心を揺さぶられる。2001年、日、95分。監督:原恵一 映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オト…

フローズン・リバー

町山さんが紹介して以来楽しみにしていた。これは佳作。最初は地味過ぎないかと思ったが、ドキュメンタリーと錯覚するような、地に足の着いた画面にいつの間にか引き込まれる。実は脚本的にも適度な起伏があり、飽きさせない。なにより、人間の善性を懐深く…

白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

DVDで。2005年ベルリン国際映画祭 最優秀監督賞・最優秀女優賞の受賞作品。若さゆえの理想主義的な、損得勘定を超えた行動力を無批判に称賛するのではなく、ナチ側、大人側、養ってる側、生活している側の言い分と、しっかり対峙させる構成に好印象。事情聴…

続・夕陽のガンマン

DVDで。「GOOD BAD WEIRD」の元ネタ。マカロニ・ウェスタンの代表作。こちらは「the GOOD, the BAD and the UGLY」。もうイーストウッドがカッコいいこと!本当にいるだけで画になる。上映時間の関係でいくつかのシーンがカットされているため、ストーリーが…

恋はデジャ・ブ

DVDで。町山さんが映画特電で紹介していたもの。おもしろい!これはめっけもの!嬉しい誤算!「ループもの」という設定の中で、「そんな設定ならこんなことやるだろー」という観客の期待を裏切ることなく、またテンポよく、ループしていく。そして永遠に終わ…

長江哀歌

DVDで。2006年ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞。うーん、特典で監督インタビューがついていて、作品意図は分からなくはないのだが、それが映画として表現できてるかというと疑問。もうちょっとドラマチックにしたり、分かりやすくしたり、アイデアがあっても…

サラエボの花

DVDで。2006年ベルリン国際映画祭金熊賞。こういう物語をエンターテイメントとして、平和なリビングでビール飲みながら見てるのも、どうだかなーとは思う。が、グッとくる脚本。良作。好きな映画。母子家庭、ボーイッシュな女の子(が、大人になっていく)、…

その土曜日、7時58分

DVDで再見。やっぱり凄い。劇場で初見の時に比べ、シーンの繋がりを余裕を持って見れるようになり、改めてそのクレバーさにやられる。ただ、今回も、弟の不倫相手が、兄貴の奥さんだと、途中まで気付かず、自分に笑ってしまった。2007年、米、117分。監督:…

リング

DVDで。普段ホラーは全く見ないんだけど、タマフルのJホラー特集を聞いて、お勉強として。あー、やっぱり駄目だなぁ。怖くないから、面白くないってことなのかなぁ。あと、松嶋菜々子が大人なのに、竹内結子が子役であることにびっくりした。こんなに年の差…

リダクテッド 真実の価値

DVDで。記録として。去年見たので、まったく覚えてない、、、2007年、米・加、90分。監督:ブライアン・デ・パルマ、出演:パトリック・キャロル、ケル・オニール、イジー・ディアズ、タイ・ジョーンズ、ダニエル・スチュワート・シャーマン、ロブ・デヴァニ…

ボーイズ・オン・ザ・ラン

ちょっと期待していたのだが、、、ふつーの日本映画のクオリティ。先週サマーを見てるから猶のことがっかり。タマフルのシネマハスラー評とほぼ同様の感想。唯一の救いが、ちはるの演出。サマーもそうだけど、ちはるが「ビッチ」かどうかって視点を相対化す…