映画

インビクタス 負けざる者たち

うーん、期待が大きかっただけに、これは残念。『硫黄島からの手紙』を見たときと同じ印象。話をなぞっているだけで、まったく響いてこない。なんだろうね理由は。なんかドラマ、キャラクターが全然描けてない気がした。登場人物の2人を含め、ほとんど踏み…

(500)日のサマー

これは観客各々が個人的な体験を抜きに見ることができないだろう。そして、その視点の取り方を、いろいろ取れるよう(確実に意図的に)確保されていることが、いろいろある評価すべき点の中でも、もっとも素晴らしいと思う。快作。トムは一応成長するんだけ…

アバター

川崎IMAXで。予告編見てた時は、これが3D映画ということを知らず、まさか見に来ることになろうとは思わなかったが。2009年、米、162分。監督:ジェームズ・キャメロン、出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、ミシェル・ロドリゲス 他いやー、疲れた…

ぐるりのこと。

DVDで。期待値高めで見始めたのだが、、、悪くはないが、強い印象を残すほどでもなかった。ここまで感情的な干渉がない夫婦、共同生活がありえるんだろうか、とか、女だけが成長して、男に明確な成長がないように見えるのに観客は本当に気持ち良くなってしま…

2009年のベスト映画

今年劇場で見たもので、良かったもののみを、良かった順に。レスラーのラストには本当に揺さぶられました。 レスラー マイケル・ジャクソン THIS IS IT イングロリアス・バスターズ グラン・トリノ GOOD BAD WEIRD レボリューショナリー・ロード 燃え尽きる…

ロルナの祈り

ダルデンヌ兄弟。2008年のカンヌ国際映画祭脚本賞受賞。ダルデンヌ兄弟作品だと忘れて見始めたのだが、エンドロールでなるほどと。前作の「ある子供」が、個人的にはだらだらと退屈だった印象があるが、それに比べて本作はわかりやすいドラマがあり見やすい…

カールじいさんの空飛ぶ家

エンドクレジットで涙が。最近は、作品の内容以上に、その作品の作り手の真摯で良心的な姿勢に、そしてそれをビジネスと両立できている現実に感動してしまう。世界には、まだこんなに手間がかかった、凄いものを作る人たちがいるのだ。3D版を吹き替えで。最…

荒野の七人

DVDで。初見。なるほど『七人の侍』だが、どう贔屓目に見ても、あらゆる面でオリジナルには及ばない。スティーヴ・マックィーンが、駈け出した馬に飛び乗るアクションは良かった。1960年、米、128分。監督:ジョン・スタージェス、出演:ユル・ブリンナー、…

父、帰る

DVDで。2003年の金獅子賞。初監督作品だからなのか、落ち着いた端正な画面ではあるのだが、そこかしこに瑞々しさがにじみ出ている。また、焦点を絞り込み、背景情報を最小限に抑えつつ、しっかりとした物語構造を備えた、理性的な脚本も成功していると思う。…

狼たちの午後

DVDで。原題の「DOG DAY AFTERNOON」の方が内容と合ってる気がする。期待を裏切らないルメット節。アル・パチーノもいいなぁ。上手く生きられない、不器用で、不細工な生き方しかできない、どん詰まりな人間の、ある一日の午後。ルメットの、人間のこの手の…

脳内ニューヨーク

チャーリー・カウフマン&初監督作品ということで、かなり期待していたのだが、、、鑑賞後、上映時間が124分と聞いて、えー!って感じ。体感時間は、150分、下手したら180分ぐらい、あった気がしたよ!ま、この体感時間の長さは、映画のテーマ的には、むしろ…

ダーティハリー

DVDで。以前見たときは、町山さんの本を見る前だった。改めて見てみると、確かに「反リベラル」なメッセージがそこかしこに。そして確かにこれだと、ハリーに感情移入しちゃうよなぁ。40歳のイーストウッドがまたカッコいい。1971年、米、102分。監督:ドン…

イングロリアス・バスターズ

これはおもしろい。前作のデスプルーフに続いて、今回も楽しめた。最近のタランティーノ作品は、エンターテイメントとして練られ、整理されており、物語の構成が分かりやすくなった。観客の間口も広い。それでいて物語としてのダイナミズムは失われておらず…

トウキョウソナタ

なんだろうなぁ。俺が黒沢清に過剰な期待を抱いているのだろうか。導入から、主人公の「サラリーマン」のあまりにも記号的で、現実感のない脚本、演出に萎える。全体を通して、リアリティレベルのコントロールがうまくいっているように思えない。各人の苦悩…

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

バルト9と川崎のIMAXで計2回鑑賞。1回目は、いくつもの場面で、いろいろな感情が湧き上がり、何度も涙が出た。映画体験以上の何かだったと思う。見て良かった。感想は、タマフルのシネマハスラーでの評とほぼ同じ。不完全な、日常的な姿を見ることで、同…

フランドル

2006年のパルムドール。不器用で、感情を表に出さずに生きていた男が、好きな女に感情を吐露して愛を告白するにまで至ったのは、どんな出来事があったからなのか、という話。音楽なし、最小限のセリフ、表情の表現でつなぐタイプの映画。淡々とした描写だが…

南極料理人

タマフルのシネマハスラーで、長いこと課題作品として上がっていたもの。職場の近くでやっていたこともあり、休日出勤の口実として見てきた。佳作、って感じ。ノイズになるような不細工な演出もなく、ウェルメイド。それ以上ではない。などと書くと、ネガテ…

アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち

出来過ぎな気もするので、一部やらせ?と思わないでもないが、だとしても良いシーンがいくつも。夢を諦められない姿に敬意を表す一方で、職業柄もあって、状況を客観的に評価する視点や、聞く側の視点の希薄さには、イライラする部分もあるなぁ。活動を支援…

母なる証明

正直ピンと来なかったっす。単なる話題先行としか思えなかったな。割と最初から不細工な演出が目について、雲行きの怪しさを感じる。そのうち、脚本のご都合主義も目立ち始め、なんだかなぁ、という感じ。いくつものエピソードが回収されなかったり、また有…

いのちの食べかた

DVDで。スタイリッシュで、表現の意思を感じる画面に、映画だなー、と思う。では、映画のテーマに対して、この表現がマッチしているかというと、僕は、マッチしているのではないかと思う。「食べ物」が、それはつまり「命あるもの」が、工場のラインの中で、…

麦の穂をゆらす風

DVDで。パルムドール受賞作品。不勉強で知らなかったのだが、アイルランドはイギリスにこれほど抑圧的に統治されていたのだな。これではIRAも出てくるというもの。映画としては、佳作という感じ。テンポよくイベントが起こるし、物語として破たんなく、キチ…

ネットワーク

DVDで。シドニー・ルメットものということで。テレビ局を舞台にした、強欲であったり、常軌を逸していたり、といった人々の群像劇。おもしろかった気はするのだが、もう筋立てを覚えてないなぁ。やはり見てすぐに記録しておかないと忘れてしまう。1976年、米…

潜水服は蝶の夢を見る

DVDで。出てくる女の人がみんなキレイなんだもんなぁ。話自体はあまり覚えていない(ので、いまいちだった気がする)2007年、米・仏、112分。監督:ジュリアン・シュナーベル、出演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、ジャン・ピエール・カッ…

アメリカン・ティーン

DVDで。もう、あまり覚えていないのだが、この中だと、やっぱり文科系の女の子にひかれてしまう。2008年、米、102分。監督:ナネット・バースタイン、出演:ハンナ・ベイリー、コーリン・クレメンズ、ジェイク・トゥッシー、ミッチ・ラインホルト、メーガン…

ゆれる

なんか、のれねーなー。主人公の造形(女性監督ならでは、じゃなかろうか)、小賢しいキャスティング、どうしても表面的で浅く感じてしまう各人物の造形・感情・想い。兄の発言・行動には全くリアリティや一貫性や個別性を感じないもんなぁ。2006年、日、119…

狂い咲きサンダーロード

こちらもたまたま。wikipediaによると卒業制作とのことだが、本当かよ!とても楽しめた。チープな面もあるし、脚本的な未熟さもあるのだろうが、それを補う『熱さ』がある。意外とお話として筋が通っているのも集中力が途切れなった一因だろう(ラストの展開…

ファニーゲームU.S.A.

たまたま機会があって見た。またナオミ・ワッツかと思ったら、製作総指揮にクレジットされてるのな。ひたすら不愉快。鑑賞後も何もカタルシスがない。もちろん意図的なわけだが、俺は興味ないわ。なお、残酷描写自体は控えめで特筆すべきところはなかった、…

呪怨

普段ホラー映画には興味がないのだが、タマフルのホラー特集を聞いて、見てみた。うーん、あまり怖くない。やっぱりこのジャンルとは、相性が良くないのかもしれないなあ。1999年、日、70分。監督:清水崇、出演:栗山千明、三輪ひとみ、大家由祐子、松山鷹…

GOOD BAD WEIRD

『続・夕陽のガンマン』のリメイク。プロモーションでは、イ・ビョンホンがメインで語られてるような気がするが、実際はソン・ガンホがメイン。韓国映画に明るくないが、『シークレット・サンシャイン』での好演に、期待が高まる。いやー、気持ちいいエンタ…

4ヶ月、3週と2日

2007年パルムドール。いやぁ、なんとも。こんな映画を見る人なので、主人公に感情移入しまくり。“愚鈍”なルームメイトや、“ボンクラ”な彼氏への、主人公の無言のイライラがリアルすぎる。あー、あるよなぁ、と。同じくボンクラな男としては、じゃあ、あの場…