インビクタス 負けざる者たち

うーん、期待が大きかっただけに、これは残念。『硫黄島からの手紙』を見たときと同じ印象。話をなぞっているだけで、まったく響いてこない。なんだろうね理由は。

なんかドラマ、キャラクターが全然描けてない気がした。登場人物の2人を含め、ほとんど踏み込んだ描写がなく、内面的な想いや動機が不明で、印象に残らない。黒人対白人、白人のスポーツであるラグビーへの国民的な支持、ネガティブなスポーツキャスター、マンデラと娘、白人家庭の中の黒人家政婦、ラグビージャージを受け取らなかった子供など、いろいろ面、レベルで葛藤が生じているのに、葛藤の明示から解消までの起承転結の演出が適当で、これでは乗れないよ。

あとこれは個人的な見方が悪かったのだが、最後の試合前に(今から思うと)警備の人が、スタジアム内だったり、スタジアム外からチェックするシーンがあって、それがマンデラを遠隔から狙撃しようとしている人に見えちゃったんだよなー。なので、ラストの試合中、いつ狙われるシーンがあるのかと思うと、まったく試合そのものに感情移入できなかった。でもこれも、全編を通して、警備の部分に焦点があたり過ぎであることにも原因があるよなーと思わないでもない。

題材を聞く限り、これでイーストウッドであれば、どうやっても面白くなりそうだったんだけどな。やっぱり題材だけではだめなんだなー。

2009年、米、134分。監督:クリント・イーストウッド、出演:モーガン・フリーマンマット・デイモン

予告編