ロルナの祈り
ダルデンヌ兄弟作品だと忘れて見始めたのだが、エンドロールでなるほどと。前作の「ある子供」が、個人的にはだらだらと退屈だった印象があるが、それに比べて本作はわかりやすいドラマがあり見やすい。
主人公の女と麻薬中毒の偽装結婚相手の男を中心に、表情、動作が印象的な場面がいくつもある。特に、女が本当の恋人と会うシーンと、麻薬中毒の男が立ち直ろうとし自転車に乗って分かれるところを追いかけていくシーン。他の場面の陰鬱な表情とのコントラストが分かりやすく際立つ、グッと感情移入できる良いシーンだなぁ。
シナリオ的には、本当の恋人から心が離れていくことを示すエピソードがもう少し印象的でも、またもっと早いタイミングにそれを匂わす形で挿入されると、もっとバランスが良くなったんじゃないかと思う。彼女が妊娠していると思い込んでいる子供への愛情の抱き方がいまいち唐突な感じがした。
2008年、ベルギー/フランス/イタリア、105分。監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、出演:アルタ・ドブロシ、ジェレミー・レニエ、オリヴィエ・グルメ、ファブリツィオ・ロンジョーネ、アルバン・ウカイ 他
予告編
うーん、実際の映画のトーンとちょっと違うな。「愛の奇跡」とか言ってんじゃねぇ!
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