白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々
DVDで。2005年ベルリン国際映画祭 最優秀監督賞・最優秀女優賞の受賞作品。
若さゆえの理想主義的な、損得勘定を超えた行動力を無批判に称賛するのではなく、ナチ側、大人側、養ってる側、生活している側の言い分と、しっかり対峙させる構成に好印象。事情聴取のやり取りの緊迫感や、裁判での判事のヤダ味、ラストの潔さ、など大人な演出。主人公の女の子がいかにもドイツ的で、意思が強そうな顔なことと、空を見上げて、希望を託す姿が印象的。
あと、この作品に限らないが、ドイツはいつまでもナチの記憶を背負っていかなければならないんだなぁ、ということと、翻って日本の場合、過去の出来事の検証・評価すらままならず宙ぶらりんなまま、そもそも映画にすらならないし、できないのだなぁ、などと思った。
2005年、独、121分。監督:マルク・ローテムント、出演:ユリア・イェンチ、アレクサンダー・ヘルト、ヨハンナ・ガストドルフ、ファビアン・ヒンリヒス 他