アラバマ物語

凄い!生涯ベスト級。なるほど、これが名作というものか。御見それしました。


アラバマ物語 [DVD] FRT-155

アラバマ物語 [DVD] FRT-155


1962年、米、129分。監督:ロバート・マリガン。出演:グレゴリー・ペック、メアリー・バダム、フィリップ・アルフォード、ロバート・デュヴァル

DVDで。個人的には完璧かも。

のっけからオープニング・クレジットのスタイリッシュな絵作りに驚く。今の映画と比べても遜色ない。モノクロであることさえも、効果を狙ったと言われれば納得してしまうのではないかと思うほど。どちらかというとお勉強として見始めたのだが、俄然期待が高まる。

そしてこの期待を裏切らない。

子供の目から見た大人の世界、未知への恐れと好奇心、想像力、怪人との心の交流、子供視点の物語と並行する父親の物語、矛盾、貧困、人種差別、正義、公平、信念、父親への畏敬、レイプ、DV、冤罪、法廷劇、信じてもらえず心を閉ざしていた人間の一縷の望みをかけた悲痛な訴え、理想と冷酷な現実、因果応報、収斂する物語。

加えて、グレゴリー・ペックの佇まい、魅力体な子役、モノクロのコントラストが映える画面、美しい音楽。

といった具合に、普通にしたら過剰なほどの要素からなるのだが、この映画に関しては全く詰め込まれ感がない。実に整然と、丁寧に、過不足なく作られていて、それでいて物語としての、そしてエンターテイメントとしての快感が損なわれていない。すげぇ!

左様に、実に良い映画だったのだが、1つだけ良く分からなかったことがある。なぜ父親は、自分の子供たちに「アティカス」と名前で呼ばせているのだろうか?劇中でも子供の友人が指摘するのだが、理由は明言されなかったんだよな。父親を名前で呼ぶ子供たちを見て最初に浮かんだのは、、、そうポニョでした。

補足

これが上記でふれたオープニング・クレジット。おしゃれ!