華麗なる週末

DVDで。以前、町山さんが成人式にちなんで、最も好きな成長の物語として挙げていたもの（見たときは忘れていたが）

成人式にちなんで、少年が男へと卒業する映画の感動作、スティーヴ・マックイーンの『華麗なる週末』〜町山智浩のアメリカ映画特電

アメリカ南部の、のどかな風景がゆっくりと映し出されるオープニングの豊かさで俄然期待が高まる。子供、大人への成長（そしてそれを取り巻く大人の成長）、理不尽な差別、魅力的で滋味深い登場人物と、自分が好きなものがてんこ盛りで嫌いなわけがない。決してきれい事だけで済まされない日常の生活の中にも、いやむしろだからこそ、心からの喜びがある。クライマックスの競馬シーンの心地よい爽快感も素晴らしい。

主人公の教育について、父親が完全にスルーされているのは、この時代特有のものなのだろうか。

あまり知られていない作品のようだが、これはもったいない。映画的で爽やかな感動が得られる良作だと思う。

1969年、米、111分。監督：マーク・ライデル、出演：スティーヴ・マックィーン、ミッチ・ボーゲル、シャロン・ファレル、マイケル・コンスタンティン、ウィル・ギア 他

華麗なる週末 [DVD]