銀河鉄道の夜

この曲はこの映画のテーマだったのか。銀河鉄道での行程は、友人との死の旅路、今生の別れを描いているのだな。やっぱり今見て気付くことがあるんだなぁ。


銀河鉄道の夜 [DVD]

銀河鉄道の夜 [DVD]


1985年、日、107分。監督:杉井ギサブロー、音楽:細野晴臣

細田監督のお薦め(今、本当に観たいアニメ2008〜ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル)で、子供のころ映画館で見て以来の再見。DVDで。

(正しいかどうかはともかく)僕の中の80年代感に満ちている。音楽、背景の絵柄、イメージの表現、ますむらひろし。でも、そのある種の素朴さは、00年代の目から見ても、宮沢賢治的世界の表現へプラスになっていると思う。今だと、カッコ良く作りすぎてしまうのではないかなぁ。

他の人の感想にも多いが、僕も子供のころ見た印象が今でも残っている。それは、鮮烈なものではない。静かにひっそりと、でも何か引っかかりがあり、消えることのない記憶だ。正直、今回はそれほど強い印象を覚えなかったのだけど、それでも引っかかりが無くなることはない気がする。多分、それは、この映画の数々のシーンが、僕にとっての「幻想的」なイメージの原風景の一つだからだと思う。

以下、メモ(ネタばれあり)

本作にはタイタニック号の沈没をモチーフとしたエピソードが登場するが、この映画の音楽を担当した細野晴臣の祖父(細野正文)が実際のタイタニック号に乗船していたことが公開当時奇縁として紹介された。またこの歴史的な惨事に配慮して、タイタニック号の犠牲者のみ猫ではなく人間として描かれている。

銀河鉄道の夜〜wikipedia

いきなり人間が出てくるのは、そういうことだったのか。てっきり、死の旅路ということで、何でも起きうる、それこそパラレルな世界の住人たちも死の世界では同じ場所へ向かう、みたいな描写なのかと思った。