これはひどい〜崖の上のポニョ

と言わざるをえない、だろう。別に宮崎映画をこき下ろす趣味はないんだけどなぁ。

脚本がひどすぎる!特に後半は、まったく意味が分からない。これは、子供向けだから、というのとは質が違う。もちろん、哲学的な問いを含んでいるから、という類でもない。もうムチャクチャ。宮崎映画ってこんなにひどかったっけ。

もちろん良い所もある。

アニメーションの肝である「動き」が魅力的なシーンは多々ある。例えば、冒頭から、海へ向い崖を降りていく宗介の体の動きがたまらない。四肢の細かな部分まで神経が行き届いていて、よく動く。また、津波のシーンでは、波そのもの、そして、その上を疾走するポニョの躍動感が素晴らしい。

宗介が大好きでしょうがないっていう、ポニョの、からだ全体を使った表現の描写もまた、とてもキュートで魅力的だ。

でも、その他たくさんの良い部分を台無しにするほど脚本がひどいのだ。お薦めはしない。が、本当にひどいのかどうか、自分の目で確かめてほしい。


(追記)
なるほど。言いえて妙。悪夢と捉えれば、むしろあの脈絡のなさこそ、作品としての質の高さを物語ると。映画について、主題歌以外の事前情報が伝わってこなかったのは、こういう事情があったのかも。シュールな映画ゆえ、作り手側が伝えてこなかった、というより伝えようがなかった、という。ウソでないギリギリの宣伝ということで。でも、あの宣伝では、観客はエンターテイメントを期待してしまうよなぁ。

たけくまメモ : 宮崎駿アヴァンギャルドな悪夢
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_fb6c.html