フロスト×ニクソン

実話ベースという制約もあるのだろうが、脚本、演出ともに練られていないと感じた。

2008年、米、122分。監督:ロン・ハワード、出演:フランク・ランジェラマイケル・シーンケビン・ベーコンレベッカ・ホール

だらだらと書くと、、、

フロストが、テレビの特性をニクソンよりも知っているからこその戦術、仕掛けのエピソードがない。最後のニクソンのショットも、たまたまニクソンが自滅して、結果的に撮れたようにしか見えない。あれがゴールなのであれば、どうやってあのショットを取るかに苦心する布石が必要だろう。インタビューを始める前の、テレビ慣れしていないが故のニクソンの断りも、インタビュー中の動揺の表現に生かされていただろうか。

フロスト、ニクソンニクソンの側近(ケビン・ベーコン)以外のキャラがまったく立っていない、生かされていない。フロストをサポートするメンバーの動機は若干語られるものの、その動機がどうパフォーマンスに反映されるのか、そもそも彼らは何が得意で、何ができるのか、結果的にどう貢献したのかが全く分からない。また、フロストの恋人についても、ニクソンが散々色目を使うシーンがありながら、全くその後の展開に生かされない。例えば、対決中に、色目を使うことによって判断を誤るとか、色目に気付いた奥さんとの関係がこじれて、それが影響を与えるとか、なんかあるんじゃないの。

ニクソンの夜中の電話も、それを記憶していないものとするなら、その予兆(物覚えが一時的に悪くなるとか)を事前にエピソードとして織り込んどくべきではないのか。

などなど、なんだかなぁ、という感じだった。

予告編