俺たちに明日はない
アメリカン・ニューシネマの幕開け、でありながら、その指し示す未来は、決して明るいものではなかったのだ。
1967年、米、112分。監督:アーサー・ベン、出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、エステル・パーソンズ、マイケル・J・ポラード、ジーン・ハックマン 他
設定が1930年代ということもあり、演出や画面の雰囲気は一見古い。だが、冒頭の見えそうで見えない裸の女性や、主人公の男が不能だという人物設定、逃亡する車にしがみついた警官を打ち抜くシーンなど、新しい時代の幕開けを予感させるシーンが随所に現れる。
主人公たちの反抗は、美しいラストシーンによって、終幕を迎える。しかし、その美しさとは裏腹に、他のアメリカン・ニューシネマ作品と同様、その反抗は社会から拒絶され、断罪される。未来は、無条件に良いものではなく、厳しさをたたえて眼前に横たわっている。
そして自分は今その“未来”で生活しているのである。
予告編
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