マグノリア

のっけから知的で厭味で、魅力的なイントロ。その手の映画好きにはたまらないだろう。もちろん僕も嫌いじゃないです。


マグノリア<DTS EDITION> [DVD]

マグノリア [DVD]


1999年。監督・脚本ポール・トーマス・アンダーソン、音楽ジョン・ブライオン。米。188分。人間関係にさまざまな問題を抱えた人間たちが織りなす群像劇。キャストにトム・クルーズジュリアン・ムーアフィリップ・ベイカー・ホールフィリップ・シーモア・ホフマンウィリアム・H・メイシージョン・C・ライリーなど。

DVDで。ラストも含め賛否両論あるようだが、僕は肯定派。エピソードが陳腐という意見もあるが、普通の生活ってそんなもんじゃないの?(これでも十分ドラマティックだと思うけど)「映画のような出来事はあるのか」っていうメタな構造なんだから、作り手は十分承知の上でしょう。

随所にアイデアが散りばめられ、またパラレルに進行するエピソードが複雑にカットアップされるので、相互の関連や、伏線を見逃さないよう、見る側に集中力が要求される。特に前半は頭をフル回転させて見た。まぁ、リラックスしたい時にPTAの映画など見ないよな。

以下、ラストについてメモ




カエルが大量に降ってくるというアイデアは、旧約聖書から引用している。イスラエル人奴隷を解放しないエジプト王に対し、モーゼはカエルを大発生させ、エジプト中をそれで埋め尽くしたというエピソードがある(「出エジプト記」8章2節)。罪を背負う登場人物に対する戒めというメッセージが込められているそうだ。

旧約聖書8章2節のメッセージは『一時曇り、雨の降る確率82%』という冒頭のテロップにも現れている。『82』という数字は映画中いたる所で目にする事が出来、クイズ番組の観客席では『Exodus(出エジプト記)82』というカードまで出ている。

マグノリアのラストだけど、あの映画には全体的なバックボーンとしてリプレーという人が書いた『信じようと信じまいと(Believe it or not)』という本があるわけよ。ありえないほど珍しい出来事とか、珍奇なモノをあつめたもの。ラストのあれは、その『信じようと信じまいと』に紹介されているエピソードの中で一番有名なもののひとつ。だから締めくくりに使われた。

マグノリア−あの映画のココがわからない まとめサイト