マグノリア
のっけから知的で厭味で、魅力的なイントロ。その手の映画好きにはたまらないだろう。もちろん僕も嫌いじゃないです。
- 出版社/メーカー: 日本ヘラルド映画(PCH)
- 発売日: 2004/01/21
- メディア: DVD
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1999年。監督・脚本ポール・トーマス・アンダーソン、音楽ジョン・ブライオン。米。188分。人間関係にさまざまな問題を抱えた人間たちが織りなす群像劇。キャストにトム・クルーズ、ジュリアン・ムーア、フィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィリアム・H・メイシー、ジョン・C・ライリーなど。
DVDで。ラストも含め賛否両論あるようだが、僕は肯定派。エピソードが陳腐という意見もあるが、普通の生活ってそんなもんじゃないの?(これでも十分ドラマティックだと思うけど)「映画のような出来事はあるのか」っていうメタな構造なんだから、作り手は十分承知の上でしょう。
随所にアイデアが散りばめられ、またパラレルに進行するエピソードが複雑にカットアップされるので、相互の関連や、伏線を見逃さないよう、見る側に集中力が要求される。特に前半は頭をフル回転させて見た。まぁ、リラックスしたい時にPTAの映画など見ないよな。
以下、ラストについてメモ
カエルが大量に降ってくるというアイデアは、旧約聖書から引用している。イスラエル人奴隷を解放しないエジプト王に対し、モーゼはカエルを大発生させ、エジプト中をそれで埋め尽くしたというエピソードがある(「出エジプト記」8章2節)。罪を背負う登場人物に対する戒めというメッセージが込められているそうだ。
旧約聖書8章2節のメッセージは『一時曇り、雨の降る確率82%』という冒頭のテロップにも現れている。『82』という数字は映画中いたる所で目にする事が出来、クイズ番組の観客席では『Exodus(出エジプト記)82』というカードまで出ている。
マグノリアのラストだけど、あの映画には全体的なバックボーンとしてリプレーという人が書いた『信じようと信じまいと(Believe it or not)』という本があるわけよ。ありえないほど珍しい出来事とか、珍奇なモノをあつめたもの。ラストのあれは、その『信じようと信じまいと』に紹介されているエピソードの中で一番有名なもののひとつ。だから締めくくりに使われた。