Phonolite@浅草アサヒ・アートスクエア 2008/10/26

豪華。メンツも演奏も。運良くこれを見れた人には特別な夜になっただろう。

水谷浩章(B)、Miya(Fl)、太田朱美(Fl)、松風鉱一(reeds)、竹野昌邦(reeds)、松本治(Tb)、梶谷裕子(viola)、平山織絵(cello)、中牟礼貞則(G)、外山明(Ds)、新居章夫(live sound engineering) ゲスト:原田郁子(vo,p)、オオヤユウスケ(G)

いやぁ、それにしても豪華なメンツ。松風さんも参加されているとは知らなかった。このメンツに原田郁子だもんな。先だっての原田郁子のソロツアーのサポートをPhonoliteでやった縁での参加ということで、初顔合わせというわけではないのだが。

会場は満員。立ち見が出るほど。どれだけが原田郁子目当てだったのかは気になるが、まぁいいよな。これをきっかけとして、新しい世界に足を踏み入れようとする人が少しでもいればと思う。

で、肝心の演奏。確かに豪華で素晴らしいんだけど、良くも悪くも水谷さんらしいと感じた。水谷さんのベースプレイに受ける印象と同じ。器用だし、洗練されてるし、いい人感がにじみ出てる(知らないけど。でも水谷さんの人柄が、原田郁子的なバイブスとグループとの懸け橋になっている側面はあると思う)。けど、水谷さんの音楽に、俺は、「音楽の魔法」を感じられない。優等生過ぎるというか、踏み込みが甘く感じてしょうがない。

実際、2ndセットの途中から原田郁子が入り、音楽のトーンを彼女が支配し始めると、一気に音楽全体の求心力、必然性が高まる。そして、そこから音楽の魔法が現れてくるのを感じてしまうと、やはり前半の演奏に物足りなさを感じてしまうなぁ。

まぁ、「音楽の魔法」なんて個人の主観だからな。ライブ後の観客の反応を見るに、少なくない人にとっては特別な夜になってたぽいぞ。

ただ、個々人の演奏は素晴らしかった。繰り出される極上の音。特に管楽器!とりわけ竹野さんのソプラノサックス!軽やかで伸びやかで、何と抜けの良いこと!いやぁ、至福。松風さん、松本さん、中牟礼さんの音も滋味深い。外山さんはいつも通り(に自由。BOZOなどで使う、立って演奏するドラムセットだった)。でも、それが全体として特別なものになるわけではないんだからなぁ。


Still Crazy

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