ミラクル7号
DVDで。去年のシネマハスラーで取り上げられたこともあり、いつか見ようと思っていたもの。
ミラクル7号(7月12日)〜ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル
漫画的で荒唐無稽なプロット、演出ではあるものの、随所に小技が利いており、またしっかりとした作りで、実に上手い。主人公の表情や動きが豊かで、かわいいぁ、と思わせるのだが、実は女の子なのだな。
レスラー
案の定、号泣。ラストのマイクパフォーマンスから、最後の決め技を出すためにトップロープに上ってポーズをとるシーンにガッツポーズをし、そこから暗転、スプリングスティーンの歌が流れ出した後は、涙があふれてきて止まらなかった。また歌詞が泣けるんだ。
筋書きとしては、まったく意外性のない、これでもかというほど予想通りに進んでいくのだが、もちろんそれは手抜きやクリエイティビティのなさなどではなく、人の人生の普遍的な類型を描いているのである。だからこそ多くの人が、さまざまな立場から共感できるのだろう。この普遍的な物語が、丁寧で愛がある演出と、ミッキー・ロークらの迫真の演技により、本当に素晴らしい、愛すべき映画となっている。また見たい。
2008年、米、115分。監督:ダーレン・アロノフスキー、出演:ミッキー・ローク、マリサ・トメイ
予告編
<参考>町山さんの関連エントリー
- 2008-12-30 今年のベストワン映画はミッキー・ロークの『ザ・レスラー』
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20081230 - 2009-06-14 ブルース・スプリングスティーン「レスラー」
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20090614