Slow Music Slow LIVE '08@池上本門寺 2008/8/24

羊毛とおはな土岐麻子、Sotte Bosse、コトリンゴ、中孝介、アン・サリー

3日間の野外フェスの最終日。当日は、予想されたとおり、雨。雷雨にならなかっただけでもありがたい、と思うべきか。

会場は傘禁止、よってみんな合羽。会場、指定席、音楽のタイプがタイプなせいか、眼前には一面の地蔵の群れが。どんな苦行かと思う。それでも相当の人が最後まで残っていた。いい人たち。

その苦行の成果、ご褒美がラストのアン・サリー

ピアノ、スティールパンx2、トランペットという編成。「Over the Rainbow」「満月の夕べ」(ガッツポーズ!)「蘇州夜曲」「Summertime」「明日に架ける橋」とか(あとボサノバ、ニューオリンズものも。有名な曲だったが失念!)。

彼女のライブは久しぶりなのだが、歌のスケールが大きくなっていて驚いた。以前は丁寧な歌唱スタイルゆえに、あまりにコントロールが目について、幾分窮屈な印象があった。しかし、丁寧な歌唱はそのままに、滑らかさ、おおらかさが増している。数千人入る会場だったが、その会場を余裕で包み込む、小さい会場で聞くのと同じぐらいの親密感。至福。

あとは土岐さん。初ライブだったのだが、これはいい。アコギ、バイオリン、チェロの編成。歌はCDと遜色なし。編曲も練られている。これは9月のライブも期待できそう。

予想外の収穫がコトリンゴ。寡聞にして初見だったのだが、いいではないか。ピアノソロ。聞く前は、また不思議ちゃんかよ、と誰もが抱くであろう先入観で臨んだのだが(で、確かに不思議ちゃんではあるんだろうが)、最初の一音で掴まれる。ピアノ、曲が魅力的。篠原ともえmeets矢野顕子な印象を抱くも、演奏後にレーベルがcommmonsだってんで、なるほどと。後から調べるとバークリー出身だと。10月に小島麻由美と対バンらしいので、これも行ってみたい。

以下、印象をメモ。

羊毛とおはな。オリジナルとカバーが半々ぐらい。カバーは、フェアグラウンド・アトラクションの「Perfect」、スティングの「Englishman In New York」とか。極めて想定内な演奏。グッド・ミュージックってそういうことじゃねぇだろ、と思う。

Sotte Bosse。大学生のバンドサークルといった趣。上のバンドもそうだが、「客観性」という言葉を謹んで進呈したい。自分たちが気持良くなる以上の存在価値、音楽をやる必然性を考えてないと、聞いている側には何も残らんよ。ま、余計なお世話ですね。

中孝介。2年前もここで見た。なかなか難しいなぁ。スタッフ含め本人たちも迷いがあるのではないか。「奄美」とか、あるイメージをいったんリセットして、本当に歌いたいものを、歌いたいように歌った方がいいんじゃないか。曲も、自分たちがやる意味を見いだせるものを選択した上でのカバーでいいじゃん別に。ボーカリストとして勝負したいんでしょ?全体的に窮屈で、歌っている本人が楽しそうに見えなかった。


こころうた

こころうた

Summerin'

Summerin'