大友良英「Musics」出版記念ライブ@新宿PitInn 2008/7/9
見てよかった!でも、開場前のあまりの混雑に帰りかけそうになったよ!
会場内は立ち見も含めて満員。こんなPitInn初めて見た。いつもの客層に加えて、それ系の若者も多い。大友さん人気あるんだなぁ。確かにメンツだけ見れば相当豪華だし、期待は高まる。
muisc1 improvisation
静かめなノイズインプロ。悪くはない。手練揃いなので、随所にフックがあるし、展開の幅もある。でも何度か意識が飛んだ。今俺が求めてるものでないということなのだろう。座って聴ければまた違ったのかも。
music2 Dance
大友良英(G,TT)、tokie(B)、saidrum(rhythm)、植村昌弘(Ds)、SachikoM(sine waves)、江藤直子(Key)、田中篤史(sound)
今回が初お目見えの新しいバンド。当面継続していくとのこと。ドラムに加えリズムマシーンがあること、大友さん、SachikoMのノイズ担当がいることなどが編成上の特徴か。
音は、ダンスバンドということでリズムが強調されたものではあるが、デートコースほど黒さは感じない。踊れるプログレの上にノイズが乗ってる感じ。ノイズの使い方には一日の長がある。また盛り上がる部分は悪くない。ただ、メンバーの表現の幅の狭さが気になった(特に静かな部分は緩慢に感じた。次のバンドと比較すれば明らか)。
今後に期待。バンドとしてこなれてくれば、もっと良くなりそう。
music3 Free Jazz
圧巻!なんと凄さがわかりやすいフリー!プレイヤーにスキル・センス共にあるが故のわかりやすさだろう。
まず大友さんのギターのうまさに驚く。演奏前のぐだぐだなトークから一変。出だしの一音でいきなり空間が変わる。全体の流れ、音色、フレーズ。コントロールされているがゆえに、よりそこからの逸脱が際立つ理想的なインプロ。1つ1つの音の響きが力強く、身体レベルの快感があり、決して陳腐なクリシェに陥らない。
本田さんのドラムもまた素晴らしい。静かな空間が、一瞬のうちに音で埋め尽くされる。この高揚感!ただ手数が多いのではない。あくまでも音全体、塊としての形があり、その全体としての塊も、いくつかの小さい塊が高密度で圧縮されてるかのような印象。その塊の1つはシンバルの連打であったり、スネアの連打であったりするような。ジャストでパワフルに打ち出されるフレーズ。外山さんとは対極だが、これはこれで全然あり。
水谷さんのベースもいつも通りニュアンスに富んだ、昨日とは打って変わって緊張感がある演奏ではあったのだが、いかんせん音が小さい!そして水谷さんのいい人感が裏目に出ちゃってたような気がしたなぁ。もっと暴力的なベースが聞きたかった。
これは、2番目のバンド目当てで来た人達にも十分アピールしたのではないか。これをきっかけに少しでもジャズの現場に来てくれる人が増えればと思う。
- 作者: 大友良英
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/06/27
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